編集長が語る日経アーキテクチュアの見どころ
目次
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「お得」から「健康」へ、省エネ説得術が変わる日
今号の住宅特集のタイトルは「ちょうど良い省エネの着地点~数値だけではない設計者流の落としどころ」です。あえて「数値性能に引っ張られすぎない」住宅を5件紹介しました。これらを見ていると、省エネの最終的な目標設定は「健康」ではないかという気がしてきます。
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冷凍よりも「調理して高く売れ」、転換期の保存
5月24日号の特集「稼げる保存」は、文化財の「活用」を訴え続けているデービッド・アトキンソン氏のインタビューから始まります。同氏は、日本のこれまでの建築保存を「冷凍保存」と表現します。「調理しておいしくいただく」よりも「できるだけ長く元の状態をキープする」――。確かに的を射ています。
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平均年収は680万円に回復するも…5年ぶり労働実態調査どう読む?
2018年5月10日号の特集は「労働実態調査2018 脱・長時間労働」です。一級建築士365人のアンケート回答を得て、年収や労働時間、やりがいなどを分析しました。同様の調査を10年前の2008年、5年前の2013年にも実施しており、それらとの比較も掲載しています。
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現場ロボット普及前夜、建設会社が手を結べば…
古くは「桃太郎」、ベテラン世代は「七人の侍」、現役世代は「ドラゴンボール」……。こういうタイプのストーリー展開を「戦士集結型物語」と名付けるとすると、今号の特集「真の生産性革命へ! 現場ロボット図鑑」はそれと似た面白さのある企画です。
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創刊42年、「座して待つ」からの脱却
新築需要だけではこの先食っていけない──。今や建築実務者の多くが感じている危機感でしょう。しかし、それ以外に一体どうやって稼げばいいのか──。そのヒントを探るのが4月12日号の特集「今こそ好機!『稼ぎ方』再考」です。
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70年代の議論を超えられるか? 縮小時代の間取り考
3月22日号の特集は、四半期に一度掲載している住宅特集です。今回のテーマは「プラン研究 縮小時代の『開き方』」。歴史を振り返ると、開く・閉じる、ワンルーム、二世帯といった今風のテーマが1970年代から論じられていたことが分かります。
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「一流」の過信を捨て「世界」に学べ
地震の多い日本では、他国で大きな地震被害があっても「地震を想定して構造設計をしていないのだろう」と思ってしまいがちです。けれども、台湾は地震国。実は、花蓮市は活発な断層が地下に走り、台湾のなかでも厳しい規制がかかっていました。
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漏水、火災、設計者選定──不動の重大テーマを追うもどかしさ
日経アーキテクチュア2月22日号の特集は「水の死角」です。今号は特集のほか、創刊以来の“不動の重大テーマ”とも呼ぶべき記事がずらりと並びました。
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ストック活用を阻む建基法、根本見直しの時期?
建築基準法の改正は、条件付きでストック活用の「ハードルを低く」する緩和の方向です。ただ、法は緩和されたとしても、それを理解して使う人が増えなければ社会的な意味はありません。2月8日号の特集は「ストック時代の羅針盤 変わる法制度2018」です
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商機がクロスする「都市」という領域
今号は、目玉となる2つの記事で「都市」をテーマにしました。1つは特集「プロジェクト予報2018 勝ち残る都市」、もう1つは特別リポート「建築を変える新技術・ビジネス100 後編」です。「都市」は、様々な技術やビジネスが「クロス(交錯)」する場であり、その中心に建築関係者はいます。
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「働き方≒技術」時代のキーワード100
MR、バイタルセンサー、コンセッション、オールジェンダー、CFRP、CNF…。あなたは意味が分かりますか? 日経アーキテクチュアの年初号は、編集部全員参加で取材した「建築を変える新技術・ビジネス100」です。
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10人の元気印が示す“次の一歩”
12月28日号の巻頭では、恒例の「写真で見る 10大ニュース2017」を掲載しています。ただ、反省することは「正しい一歩を踏み出す」ための必要十分条件ではありません。「一歩を踏み出す勇気」を持ってもらうために、特集は「編集部が選ぶ 10大建築人2018」としました。
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空き家防止に「少しずつ何度も」型リノベを
今号の特集は「住み継ぐ改修」です。住宅リフォーム推進協議会が2016年に実施した調査では、住宅改修のうち「親からの相続など」で取得した物件の割合が2割超に達しました。ここ数年で急激に割合を増やしています。
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AIだけじゃない、“定番”の技術革新の面白さ
昨今は、「技術革新」というとすぐに「AI」や「IoT」に結び付けたくなります。けれども一方で、一見変化のなさそうな“定番領域”にも、今後の革新の種となりそうなアイデアが芽生えていました。
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「賞」総なめの環境建築を追跡!
「『賞』総なめの注目プロジェクトを追跡」──。週刊誌的なこのサブタイトルの特集ですが、内容はデータ重視で、実務に大いに役立ちます。11月9日号の特集は、「有名環境建築その後」です。
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今度は本気!「ロボット開発、再び」
このコラムは特集を紹介することが多いのですが、今号は、特別リポート「ロボットが現場を救う」を紹介させてください。元・ロボット好き少年(少女)は、必読です!
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曖昧な役割分担が2人の命を奪った
人の命を奪おうと考えて設計の仕事をしている人はいません。それでも人命に関わる事故は起こってしまう。その多くの原因は、「曖昧な役割分担」なのです。
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住宅こそ「不動産」の知識と人脈を
9月28日号は3カ月に一度の住宅特集号です。テーマは、「『不動産』に踏み込め」。自分の過去の経験に照らして、「もっと早くそれが当たり前になってほしかった」と感じました。
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四半世紀ぶりの「女性特集」、国交省から追い風
日経アーキテクチュアで本格的な女性特集は27年ぶりです。「なぜ今、この時期に掲載するのか」という理由を探しつつ取材を進めるなかで、国土交通省から“追い風”となる知らせが舞い込みました。
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きっかけは藤森照信展での衝撃
日経アーキテクチュア2017年8月24日号の特集は「藤森照信 異端からの逆転」です。藤森特集をやろうと思い立ったきっかけは、今年3~5月に水戸芸術館で開催された「藤森照信展」のプレスレビューでの“衝撃”でした。