飯田彩が行く!気鋭の住宅
目次
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大きな窓際のキッチンで袋小路へ開く
「西大井の家」 設計:鈴木淳史建築設計事務所 施工:前川建設
近隣住民しか通らない袋小路の奥という立地を生かして、路地に面した幅約4mの大きな窓を設け、窓際にキッチンをつくった。開放的なキッチンを中心に、住宅密集地の窮屈さを克服する住空間を提案している。
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スギ板張りの箱で大空間を区切る「もてなしの家」
「東大宮の家」 設計:中島行雅+古谷野裕一+森田悠紀 施工:古谷野工務店
60歳代の建て主夫妻が思い描いたのは、「趣味ともてなしの家」。設計者は、人が集まるひとつながりの空間を、1層分の箱状の個室で区切るプランニングを提案した。
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狭小旗竿敷地、斜めの窓で視線をコントロール
「House W」 設計:森山ちはる/Atelier HMC 施工:広橋工務店
約18坪の旗竿敷地に建つ狭小住宅。周囲に隣家の壁が迫る厳しい条件のなか、開口部の位置や角度を工夫することで、採光や視線の抜けを確保し、閉塞感のない住まいを実現している。
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屋根や外壁で店舗と気付かせる兼用住宅
「王子の兼用住宅」 設計:松尾宙+松尾由希/アンブレ・アーキテクツ
住宅地に建つ店舗兼用住宅にふさわしい建築の形とはどのようなものだろうか。「王子の兼用住宅」は、大きな看板や店名入りの軒先テントのような付加的なものを使わず、屋根や軒庇の形状、外壁の色などで店舗であることを道行く人に感じさせ、同時に街並みになじむような兼用住宅を提案している。
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周辺環境と共生する「ポジティブエネルギー住宅」
「Diagonal Boxes」 設計:川島範久+佐藤桂火/アーテンバーク
「Diagonal Boxes」は、冷暖房を使わずに年間を通して快適に暮らせる家を目指して設計された。パッシブな手法が室内環境にもたらす効果を検証すると同時に、周辺環境へ与える影響もシミュレーションで確かめながら設計を進めた。消費以上のエネルギーを生産する「ポジティブエネルギー住宅」だ。
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住宅密集地でも空が広く見える家
「荏原中延の家」 設計:真泉洋介/プラス マイズミ アーキテクト
立て込んだ都市の戸建て住宅で、窓からの眺望を望むことは難しい。敷地条件やコストの制限が厳しいなか、部屋の窓から少しでも空が広く見えるよう天井高や開口部を工夫することで、実際の面積よりも広く開放的に感じられる空間を目指した。
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70歳代の夫婦が住む「5つのレベルの床」
「n house」 設計:ミハデザイン一級建築士事務所
都内の木造住宅密集地に建つ「n house」は、地下1階から小屋裏収納まで5つのレベルの床をずらして積層し、スリット状の吹き抜け空間で諸室を緩やかにつないだ住宅だ。建て主は、和裁の職人をしていた夫と妻の70歳代の夫婦。
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築50年の団地をセルフビルドで改修
「富士見台団地のリノベーション」 設計:能作淳平建築設計事務所
UR都市機構の国立富士見台団地(東京都国立市)の1室をセルフビルドでリノベーションした。UR都市機構が行っている「DIY住宅」の制度は、賃貸住宅の契約者自身がDIYで内装改修を行うことができ、退去時の原状回復義務が原則として免除される制度だ。
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ずらした箱を大きなテーブルでつなぐ
「木箱」 設計:御手洗龍建築設計事務所
木造2階建ての住宅は、敷地の中央に、用途に合わせた大きさの違う5つのボリュームを、少しずつずらしながらつなげて配置している。この構成は、周辺との関係性と家族の暮らし方を丁寧に読み解いて導き出した。
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14m×9mの巨大窓、古いアパートを非日常空間へ
「躯体の窓」 設計:増田信吾+大坪克亘
日常生活の場であったアパートを、非日常的な週末住宅やハウススタジオにコンバージョン。室内と庭とをつなぐ開口部に着目し、窓の在り方を大きく変えた手法は、国内外で高く評価されている。
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食堂で街とつながる集合住宅
「食堂付きアパート」 設計:仲俊治・宇野悠里/仲建築設計スタジオ
戦前からの住宅街に建つ「食堂付きアパート」(東京都目黒区)は、5つのSOHO住戸と1つのシェアオフィス、食堂からなる複合的な建物だ。その名の通り、道路に面した1階に約10坪の食堂がある。
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「箱」のずれが生み出す立体住空間
「ハコ シリーズ1―浦和の集住体―」 設計:井上雅宏/フィールド・デザイン・アーキテクツ
「ハコ シリーズ1―浦和の集住体―」は、全15戸の賃貸集合住宅だ。敷地条件に従って箱形のボリュームをずらし、凹凸を生かした外部空間やいくつもの床がスキップする立体的な住空間をつくり出した。
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天井高と開口の“操作”で多層空間を彩る<追加情報あり>
「山手通りの住宅」 設計:三家大地/三家大地建築設計事務所+畝森泰行/畝森泰行建築設計事務所
「山手通りの住宅」は、東京都内の山手通り沿いに建つ5階建ての店舗付き住宅だ。小さな平面を積層せざるを得ない不整形狭小地の条件を逆手にとって、上下階を行き来するたびに視覚的変化のある空間を生み出している。<追加情報>竪穴区画の建築確認申請上の扱いなどについて、多くの読者から質問が寄せられました。編集部…
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建蔽率40%を克服、外に居住空間を広げる
「時の流れる家」 設計:菅原大輔/SUGAWARADAISUKE
東京近郊の住宅地に建つ「時の流れる家」は、菅原大輔氏が設計した自邸だ。住まいの領域を外部まで拡張する仕掛けや、家族構成や生活の変化に柔軟に対応できる居室の構成など、コンパクトな都市型住宅への実験的な取り組みを盛り込んでいる。