1963年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、大林組を経て日経BP社に勤務。日経アーキテクチュア、日経デザインなどの編集を経て2003年に独立。著書に「家族と財産を守る耐震リフォーム」(週刊住宅新聞社)、「デザインエクセレントな経営者たち」(共著、ダイヤモンド社)など
モリリン守山の「オフィス新発見!」
目次
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オフィスは「リアルな交流の場」、サイボウズ
新築の東京日本橋タワーで躍進めざす
オフィスは、皆が集まって仕事をするところに意味がある——―。2015年7月、東京日本橋タワー(東京都中央区)の27階、28階に移転したサイボウズの東京オフィスは、社員が顔を合わせることを重視している。「情報やヒトを集結させてリアルのコミュニケーションを活発化し、パートナー企業やエンドユーザーまで含め…
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人やモノとの「接点」をデザイン、丹青社
内装ディスプレー大手の丹青社が2015年9月、品川シーズンテラス(東京都港区)に本社を移転した。同年5月にグランドオープンした品川シーズンテラスは、東京都が管理する芝浦水再生センターの再構築に併せて雨天時貯留池の上に建設された地下1階・地上32階建ての複合ビルだ。丹青社は、約5000m2という広い基…
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企業カルチャーを映し出す空間の余白、ウォンテッドリー
働く場所や働き方に対する企業の姿勢は、オフィスの基本的な機能の部分ではなく、その周辺の“余白”部分に投影されていることが多い。今年6月、東京都港区のMG白金台ビル4階に移転したウォンテッドリーの新本社も、そうした事例の1つだ。広い室内空間を生かし、アンティーク家具を置いたインテリアで会社の文化を示し…
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「本気」の豪華社食で求心力を高める、日本ビジネスシステムズ
「Lucy’s CAFE & DINING」。日本ビジネスシステムズ(東京都港区。以下、JBS)の本社内にあるカフェテリアは、社員食堂と呼ぶのがはばかられるほどサービスも内装も本格的だ。
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一直線のデスクがもたらす一体感、コイニー
細長い室内の中央に、大きなデスクが一直線に延びる。コイニー(東京都渋谷区)の執務スペースの構成はシンプルだ。細長い2つの大デスクを直線状に連ねて軸線を強調したレイアウトが、一体感を醸し出す。窓側と壁側にも、デスクの席と背中合わせにカウンター席が設置されている。机上から目を上げ、あるいは振り返ると、す…
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「開く」を意識して研究機能を集める、日清食品ホールディングス「the WAVE」
見通しのよいワンルーム空間に、300人弱の研究者のデスクがずらりと並ぶ。彼らが薄緑の作業衣を着ている以外は、ごく一般的な事務所の風景に見える。日清食品ホールディングスが2014年3月に開設した研究所「the WAVE」の執務スペースだ。
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窓際の「グリーンベルト」で気分を切り替え、ソフトバンク・テクノロジー
ソフトバンク・テクノロジー(東京・新宿区)の本社オフィスに入ると、窓際の四周をぐるりと巡るグリーンベルトが目を引く。グリーンベルトは濃淡ある緑色のカーペットを敷き詰めた帯状の共用ゾーンで、打ち合わせ席やリラックス用の椅子、自動販売機コーナーなど様々な用途の場がちりばめられている。執務スペースや会議室…
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業務のなかで「交流」と「健康」を仕掛ける、イトーキ「SYNQA」
イトーキ東京イノベーションセンター「SYNQA(しんか)」における働き方に対する提案のうち、オフィス環境での健康増進の仕組み「Workcise」と、交流促進のための「ハイブリッド・アドレス」を中心に紹介する。
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美容室や保育園もある「生活支援」オフィス、ドワンゴ
オフィスに完成はない。組織改編や人員の増減に伴って、時間の経過とともに何かしら変化していくものだ。それにしても、ドワンゴ(東京中央区)のオフィスが見せる変貌のスピードはすさまじい。
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グループ会社で立ち話できるオフィス、エバラ食品工業
久しぶりに足を踏み入れた横浜みなとみらい21地区は、記憶よりかなり多くのオフィスビルが建ち並んでいた。2014年3月、そんな街に新たに仲間入りした横浜アイマークプレイスは、ややぽっちゃりしたプロポーションをもつ地上14階建てのテナントビルだ。
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扇形レイアウトや席替えで活性化、クロスカンパニー
これまでオフィスに多数接してきた本欄だが、クロスカンパニー(岡山市)東京本部のレイアウトは初めて目にする方式だった。部長や課長などマネジャーのデスクを横に2つ並べ、その周りを部下のスタッフのデスク6席が扇形に取り囲む。
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「都市型ZEB」で働き方を実証中、大成建設
今年5月に竣工した「大成建設技術センターZEB実証棟」(横浜市)を訪れた。ここでは、執務環境の検証も目的に据えている。省エネや創エネの効果だけでなく、オフィスワーカーの快適性を高め、執務効率を高められる空間を目指す。
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横串組織を生かす内階段のオフィス、アストラゼネカ
英国の大手製薬企業、アストラゼネカの日本法人は一部を残して本社部門の約750人をグランフロント大阪の3フロアに集約した。移転を機に部門を横断する「ワンブランドチーム(One Brand Team)」を軸としたオフィス配置を採用、フロア間のコミュニケーションを高めるために内階段を採用した。
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会話を誘発する六角形のオフィス、キユーピー
東京・新宿から西郊に向かって走る京王線に乗ると、仙川駅を過ぎてすぐ右側にX字形のアウトフレームで覆われた建物が見えてくる。2013年10月に開設した「仙川キユーポート」(東京・調布市)。東京・渋谷の本社ビル建て替えに伴い仮移転したキユーピー本社や東京・府中市から移転した同社研究開発本部、ここに本社移…
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JPタワーで内勤者もフリーアドレス、コニカミノルタ
往年のドームを載せた赤レンガ駅舎の復活でにぎわう東京駅丸の内口。その横にそびえ立つJPタワーも、モダニズムの傑作である東京中央郵便局の一部保存と、2013年3月21日にオープンした低層部の商業ゾーン「KITTE」で話題を振りまいている。
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手づくりの仕事場で柔軟な発想を、Hanoi Advanced Lab
Hanoi Advanced Lab(東京・渋谷区。以下、HAL)のオフィスは、カーペット敷きの小上がりを持つ。これまで見たオフィスの小上がりといえば、居酒屋風だったり、モダン茶室風だったりして、どこか非日常の雰囲気を漂わせていた。それに対してここはまさに家の中、“茶の間”感覚だ。
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直通階段で設計部門の交流を促す、清水建設本社(後編)
引き続き、清水建設本社(東京・中央。以下、新本社)の探訪を進める。新本社の特徴は、前回触れた環境配慮だけでなく、コミュニケーション重視のワークプレイスや事業継続性の確保など、今日的なテーマを実現するための様々な知見や先端技術がちりばめらた点にある。
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環境配慮オフィスへの社員の反応、清水建設本社(前編)
先端的な環境配慮の仕掛けを盛り込んだオフィスビルとして2012年8月1日、鳴り物入りで稼働した清水建設本社(東京・中央区。以下、新本社)。竣工後の12年6月から今年1月末までの8カ月で約8300人の見学者を迎えたという建物に、入居後の様子を尋ねるべく足を運んだ。
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ゆるい空間が魅力の手作りシェアオフィス、みどり荘
2012年4月に本格オープンしたシェアオフィス「みどり荘」は、東京都目黒区青葉台に広がる住宅街の角地に建っている。8月の取材当日、東北側の道路に面した玄関に気づかずに通り過ぎ、角を曲がったところで出入り口を探した。そして一瞬、途方に暮れた。
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「社員食堂」のタニタ、改修を機に本社でも情報発信
累計485万部を超えるベストセラーとなったレシピ本『体脂肪計タニタの社員食堂』シリーズ(2012年7月13日時点)、そして2012年1月に開業した「丸の内タニタ食堂」(東京・千代田)…。ヘルスメーターや歩数計など家庭用と業務用の計量器を製造・販売するタニタ(東京・板橋区)は、「社員食堂」を起点とした…